更新日: 空間デザイン・素材

「燕のコートハウス」天井を濃い色に着色した理由

以前、床から天井に向け上へいくに従い、濃い色から明るい色にしていくのが、部屋の色選びの基本的な手法だということを紹介しました。下方に濃い色、上方に薄い色を使うことで、空間に安定感が生まれます。しかし、こちらの建物ではその手法に反して、天井を濃い目の茶色に着色しています。色選びを失敗した訳ではなく、きちんと理由があってそのような色選びをしているのです。

種を明かせば、視線が横方向へと伸びていくことを意図したからです。床と天井の色を同色とすることで、上下から視線が挟まれ、必然的に奥へと視線は広がっていきます。仮に天井を壁と同じ白い色にしてしまえば、上方へと視線が逃げていってしまいます。平面構成上、部屋が奥へ奥へと繋がっていく空間ですので、あえてそのような色使いをしてみました。視線が奥へと抜けていくように見えませんか?

ラワン天井着色 ラワン天井着色

この記事の設計事例を見る

燕のコートハウス

このページを保存・共有する

LINEで送る ポスト

この記事の著者

金子勉
建築家 / 代表

金子 勉 Tsutomu Kaneko

美しい意匠設計に加え、高度な構造・設備設計までトータルで手掛ける建築家。無垢材などの自然素材を活かし、使い込むほどに味わいの増す空間と豊かさを実感できる暮らしを提案。新潟の風土に寄り添い、土地選びから建物診断、コンサルティングまで施主に伴走する家づくりを行う。