岩室の平屋
写真:村井勇
小さいながらも広がりのある開放的な平屋
規模と構造
用途 | 住宅 |
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住所 | 新潟市西蒲区 |
敷地面積 | 418.00㎡(124.66坪) |
建築面積 | 87.11㎡(26.35坪) |
延床面積 | 85.29㎡(25.80坪) |
構造 | 木造平屋建て |
竣工 | 2021年 |
建築費 | 1850万円・消費税別(外構費を除く) |
坪単価 | 72万/坪 |
性能
平均熱貫流率Ua値:0.43W/㎡K(断熱等級6/heat20 G1水準)QPEX計算による
耐雪積雪量:1.0m
空調方式:床下エアコン空調
仕上げ材
天井:ラワン合板張り
壁:しっくい塗料ローラー塗り
床:無垢フローリング+自然オイル塗布
外壁:杉南京下見板張り+木材保護塗料ウッドロングエコ塗布
新潟市郊外の集落の中に位置する小さな平屋の住宅です。計画地は、東側に川が流れ、周辺には住宅街が形成され、静かな住環境でした。一戸建て住宅としては敷地面積が広く、敷地内には既存樹木が既に点在していたことから、地面に近い落ち着いた暮らしを実現するのが適当と判断し、平屋の家を計画しました。
建物を上から見ると、コの字型をしており、東側に開いた形状となっています。中央の中庭を建物が取り囲むように建つ、「コートハウス」と呼ばれる形式です。建物のどこにいても中庭の緑を望むことができ、また、それぞれの部屋の窓からは中庭を介して、他の部屋を見ることができます。小さな家ながら、家族それぞれ、好きな部屋で思い思いのことをしながら、互いの気配を感じて過ごせる空間を実現しています。各部屋の窓や開口部には、障子戸や引き戸が設えてあり、部屋同士の視線を遮ったり、時には繋げたりと自由度に繋がりを可変させることが可能です。
また、あえて天井高さを低くすることで、空間の重心を抑え、庭への距離感を近づけることを意図しました。障子戸を全て開ければ、水平にワイドビューが広がり、まるで外にいるかのような開放感です。南側の窓面をフレームレスな木製建具で構成することで、視覚的に遮るモノが全く無く、外へと繋がるオープンな空間を実現しています。
大きく張りだした軒下の南側大開口窓からは、冬場には陽射しを取り込むことで暖房効果を、夏場には風の流れを導くことで冷却効果をと、パッシブな環境実現を期待しています。