岩室の平屋

小さいながらも広がりのある開放的な平屋

新潟市郊外の集落の中に位置する小さな平屋の住宅です。計画地は、東側に川が流れ、周辺には住宅街が形成され、静かな住環境でした。一戸建て住宅としては敷地面積が広く、敷地内には既存樹木が既に点在していたことから、地面に近い落ち着いた暮らしを実現するのが適当と判断し、平屋の家を計画しました。

建物を上から見ると、コの字型をしており、東側に開いた形状となっています。中央の中庭を建物が取り囲むように建つ、「コートハウス」と呼ばれる形式です。建物のどこにいても中庭の緑を望むことができ、また、それぞれの部屋の窓からは中庭を介して、他の部屋を見ることができます。小さな家ながら、家族それぞれ、好きな部屋で思い思いのことをしながら、互いの気配を感じて過ごせる空間を実現しています。各部屋の窓や開口部には、障子戸や引き戸が設えてあり、部屋同士の視線を遮ったり、時には繋げたりと自由度に繋がりを可変させることが可能です。

また、あえて天井高さを低くすることで、空間の重心を抑え、庭への距離感を近づけることを意図しました。障子戸を全て開ければ、水平にワイドビューが広がり、まるで外にいるかのような開放感です。南側の窓面をフレームレスな木製建具で構成することで、視覚的に遮るモノが全く無く、外へと繋がるオープンな空間を実現しています。

大きく張りだした軒下の南側大開口窓からは、冬場には陽射しを取り込むことで暖房効果を、夏場には風の流れを導くことで冷却効果をと、パッシブな環境実現を期待しています。

規模と構造

用途 住宅
住所 新潟市西蒲区
敷地面積 418.00㎡(124.66坪)
建築面積 87.11㎡(26.35坪)
延床面積 85.29㎡(25.80坪)
構造 木造平屋建て
竣工 2021年
建築費 1850万円・消費税別(外構費を除く)
坪単価 72万/坪

性能

平均熱貫流率Ua値:0.43W/㎡K(断熱等級6/heat20 G1水準)QPEX計算による
耐雪積雪量:1.0m
空調方式:床下エアコン空調

仕上げ材

天井:ラワン合板張り
壁:しっくい塗料ローラー塗り
床:無垢フローリング+自然オイル塗布
外壁:杉南京下見板張り+木材保護塗料ウッドロングエコ塗布

ブログ記事

2020 岩室の平屋 記事一覧


最新事例

松野尾の平屋 (2025年)

L型配置で庭を取り囲んだ見晴らしの良い平屋

お米スタンドHACHI HACHI+(米販売店舗) (2024年)

米のある暮らしを提案するお米販売店舗

G工場オフィス断熱改装工事 (2024年)

工場内に落ち着いた雰囲気のオフィス空間を作り出す