松野尾の平屋

間の前に新潟平野のパノラマビューが広がる景観の良い敷地に建つ平屋の住宅です。その恵まれた景観を最大限活かすため、視界の広がる南西側に庭を設け、庭を取り囲むようにＬ型に建物を配置しました。

プライバシーの高い囲われた庭に面してＬＤＫを配置し、庭に面した南面には大開口ガラス窓を設け、外と連続する開放的な室内空間を実現しました。庭につながる窓先にはデッキテラスを設け、上部には日差しを遮るため軒を大きく張り出しています。ダイニング・キッチンの床仕上げは土間床を採用し、半屋外的な雰囲気を持たせています。

道路側から見ると一見、窓が少なく閉鎖的な外観に見えますが、室内に入ると一転、明るく開放的な室内空間が広がります。外からは閉鎖的に見え、中に入ると開放感のある住環境は、安心感して暮らせる住まいを作り出します。

またデザインだけでなく、開口部の多い開放的な建物では見過ごされがちな、断熱性能、耐震性能も同時に担保しています。断熱性能は、材料費や施工性、毎月の光熱費を考慮して最もコストバランスの良い「断熱等級５」を選択、耐震性能も建設コストが割高とならない範囲で「耐震等級２」を選択しています。いずれも最高等級性能ではありませんが、コストバランスを考慮した上での最適解として決めています。

外壁は杉板張り、室内仕上げには手触りのある自然素材を使うことで、温かみのある落ち着いた空間を作り出しています。新潟平野の風景と庭木を眺め、季節の移り変わりを感じながら、ゆっくりと時間が過ぎてゆく平屋をイメージしました。