【第2回】中古住宅は、築何年くらいまでならリノベーションできますか?

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中高住宅は築何年くらいまでならリノベーションできますか?

中古住宅を探し始めた本間さんご夫婦。不動産情報を見ていると、築20年程度の比較的新しい住宅もあれば、築30年、40年、さらに古い住宅もあります。できるだけ購入費用を抑えたい一方で、古い住宅を購入して本当に大丈夫なのかという不安もあります。そこで今回は、「築何年くらいまでならリノベーションできるのか」を金子さんに聞いてみることにしました。

築何年くらいまでならリノベーションできますか?

健太(夫): 中古住宅を見ていると、築30年とか40年とか、かなり古い家もありますよね。リノベーションするなら、築何年くらいまでが目安なんでしょうか?

金子: 築年数はひとつの目安にはなりますが、「築何年以上だからダメ」ということにはなりません。

リノベ前の内観写真

同じ築年数でも、建物の状態はそれぞれ違います。これまできちんとメンテナンスされてきたのか、建物に大きな劣化がないか、敷地の地盤に問題がないか。そうした条件によって状態はかなり変わります。
ですから実際には、築年数だけではなく、それぞれの建物を個別に見て判断する必要があります。

築年数より、今の状態を見る方が大切ですか?

美咲(妻): では、築年数よりも、今の建物の状態を見る方が大切なんですか?

金子: そうですね。今の状態を実際に確認することが、もっとも確実です。
不動産情報を見ると、築年数、床面積、間取り、構造などは分かります。でも、それだけでは分からないことがたくさんあります。例えば、建物が傾いていないか、雨漏りしていないか、基礎や構造部分に問題がないか。そうしたことは、やはり実際に現地へ行って確認する必要があります。

内見では、どんなところを見るんですか?

健太(夫): 実際に内見するときは、どんなところを確認するんですか?

金子: まず建物の外周を見ます。
基礎にひび割れがないか、建物に歪みが出ていないかなど、外から確認できる劣化を見ます。建物の中に入ったら、水平器を使って床や柱を測り、建物に傾きがないかも確認します。

美咲(妻): 目で見るだけではないんですね。

金子: そうですね。天井面に雨漏りの跡がないかなども目視します。それから、壁の量や位置などを見ながら、現在の耐震性能についてもある程度予想します。
床下や天井裏に点検口があれば、そこから内部を確認します。見える範囲にはなりますが、構造材の状態や劣化がないかなどを見ることができます。

点検口から天井裏を確認。構造材の状態や劣化の有無などを見ます

内見だけで、そこまで分かるんですか?

美咲(妻): でも、壁の中までは見えないですよね。内見だけで建物の状態は分かるんでしょうか?

金子: もちろん、内見だけですべてが分かるわけではありません。壁や床を壊してみないと分からない部分もあります。ただ、ある程度は予測できます
特に劣化が進んでいる建物の場合は、その症状が表に現れていることが多いんです。基礎に大きなひび割れがあったり、床が傾いていたり、雨漏りの跡がいくつも見つかったり。そうした兆候がいくつもある建物は、購入した後にかなりの補修費用が必要になる可能性があります。

健太(夫): そういう物件は避けた方がいいんでしょうか?

金子: 私はあまりお勧めしません。
もちろん直すことはできますが、建物を正常な状態へ戻すためだけに多くの費用が必要になってしまいます。リノベーションの予算を、暮らしを良くするためではなく、劣化した部分を直すことに多く使わなければならなくなるからです。

古くても状態が良ければ、候補になりますか?

健太(夫): 逆に、築年数がかなり古くても、状態が良ければ候補になるんですか?

金子: もちろん候補になります。
築年数が古いという理由だけで、除外する必要はありません。きちんと手入れされていて、大きな劣化がなく、構造的にも問題がなければ、十分リノベーションできます。それに、古い住宅には新築にはないものが残っていることもあります。

美咲(妻): 例えば、どんなものですか?

金子: 今ではなかなか使えないような太い柱や梁、無垢の木材、古い建具などですね。長い時間をかけて手を掛けた庭や木々が残っていることもあります。
そうしたものは、古いから取り替えるのではなく、新しい暮らしの中で活かせる可能性があります。古さがすべてマイナスというわけではありません。

古い家の良さを残しながら、性能も上げられますか?

美咲(妻): 古い家の良さを残しながら、耐震性や断熱性を良くすることもできるんですか?

金子: できます。
ただ、建物の状態や構造によって、どこまでできるか、どのくらい費用が必要かは変わります。大切なのは、すべてを新しくすることではありません。残せるところは残して、直すべきところはきちんと直す。耐震性や断熱性についても、現在の状態を確認した上で、必要なところに手を入れていきます

既存の柱を残しながら間取りや性能を整えたリノベーション

健太(夫): 築年数だけを見て、「古いからダメ」と決める必要はないんですね。

金子: そうですね。
中古住宅を見るときは、「築何年か」だけではなく、「今、その家がどんな状態なのか」を見ることの方が大切です。そして、何を残すことができて、何を直す必要があるのか。そこまで見て初めて、その建物がリノベーションに向いているかを判断できると思います。

この記事のまとめ

  • 築年数は中古住宅を判断するひとつの目安だが、築年数だけでリノベーションの可否は決まらない。
  • 同じ築年数でも、メンテナンス状況や劣化状態、地盤条件などによって建物の状態は異なる。
  • 内見では、基礎のひび割れ、建物の傾き、雨漏り跡、壁の量や配置、床下・天井裏などを確認する。
  • 内見ですべてが分かるわけではないが、劣化が進んでいる建物では症状が表に現れていることも多い。
  • 古い住宅には、柱や梁、建具、庭など、時間を経たからこそ残っている価値もある。
  • 大切なのは築年数ではなく、現在の状態を確認し、「何を残せるか」「何を直す必要があるか」を見極めること。

(連載3回目に続きます)