信濃町の中古住宅 耐震・断熱リノベーション
築30年の魅力を引き出し、現代の心地よさへ
規模と構造
| 用途 | 住宅 |
|---|---|
| 住所 | 新潟市中央区 |
| 敷地面積 | 177.29㎡(53.63坪) |
| 建築面積 | 83.16 ㎡(26.06坪) |
| 延床面積 | 115.96 ㎡(35.07坪) |
| 構造 | 木造2階建て |
| 竣工 | 2025年9月竣工予定 |
| 建築費 | 2,450万円(消費税別) |
| 坪単価 | 70万/坪(耐震・断熱内装リノベーション工事費) |
| 設計料 | 200万(消費税別) |
性能
耐震性能:耐震等級1 耐雪積雪量0.5m(許容応力度計算による)
仕上げ材
天井:ラワン合板張り
壁:自然塗料塗り
床:クリ無垢フローリング+自然オイル塗布
外壁(一部):杉下見板張り 木材保護塗料ウッドロングエコ塗布
屋根:既存瓦屋根葺き
キッチンカウンター:L型オーダーメイドキッチン
浴室:ハーフユニットバス+壁・天井:ヒバ無垢板仕上げ
「信濃町の中古住宅 耐震・断熱リノベーション」
このプロジェクトは、築30年の木造2階建て住宅を、現代の暮らしに合わせて「安全・快適・開放的」に再生させたリノベーション事例です。
1. 新築以上の安心感と温かさを実現(性能の向上)
2000年以前に建てられた建物は、現在の基準に比べると地震への備えや断熱性能が不足しているケースが少なくありません。そこで、以下の工夫で建物全体の性能を底上げしました。
【構造計算に基づく確実な耐震補強】
「許容応力度計算」という緻密な構造計算に基づき、柱や梁に補強金物を追加し、耐震壁をバランスよく配置し直しました。これにより、現行の法規基準を満たす確かな安全性を確保しています。
ただやみくもに補強したから大丈夫といった感覚的な構造補強では、安全基準は満たせません。補強することによって逆にバランスが崩れ、耐震性が低下するといったケースもあります。せっかく費用をかけて耐震補強を行う訳ですから、計算に基づいた正しい補強を行うことが大切です。
【一年中快適な温熱環境の実現】
現行の断熱基準を実現するため、既存の断熱材をすべて撤去し、壁、天井、床のすべてに最新の断熱材を隙間なく詰め込みました。外の暑さや寒さに左右されにくい、魔法瓶のような心地よい住環境を実現しています。
リフォームを行って見た目の仕上げが新しく綺麗になったとしても、冬寒く、夏に暑いようでは、快適な暮らしはできません。見た目だけでなく、見えない部分、温熱環境を改善することに重心を置きました。
2. 「細切れ」から「広がり」へ(間取りの刷新)
築30年の既存家屋には、大きな玄関や座敷、客間といった「昔ながらの細切れの間取り」が残っていました。このような細かく仕切られた間取りは、現代の家族の暮らしでは使いにくい場合があります。また調理設備の整っていなかった時代のキッチンは、調理時の匂いが他の部屋へ流れないよう、他の部屋と間仕切り壁で分断された空間となっていました。
現代のライフスタイルに合わせ、使い勝手の向上と、明るく開放的な住空間を実現するため、間仕切り壁を取り払い、ワンルーム化を行いました。
【現代の暮らしへの適合(使い勝手の改善)】
不要な間仕切り壁を取り払い、キッチンからリビングまでが一体となった「ワンルーム」の構成に変更しました。間仕切り壁を取り払ってワンルーム化することで、今の暮らしにフィットする合理的な間取りへと刷新しています。
合わせて、ただワンルーム化するだけでなく、キッチン横にはパントリー収納を設け、キッチンから脱衣洗濯室への家事動線を効率化するなど、使い勝手の良い空間構成を心掛けました。
【明るいLDK空間の実現】
壁をなくすことで光が部屋の奥まで届き、明るく開放的なLDKを実現しました。視覚的な遮りがなくなることで、実際の面積以上の広がりを感じられる空間となります。
3. 「懐かしさ」と「新しさ」が共存するデザイン
ただ新しくするのではなく、元々の家が持っていた歴史や味わいを大切にしています。
【歴史や味わいの継承】
既存家屋にあった障子戸や、職人技が光る網代(あじろ)天井といった、貴重な仕上げ材をあえて部分的に残しています。昔の職人さんが手を掛けて作った建築部材は、今ではなかなか実現できないものがあります。時間が経つことで経年変化し味わいを増した昔ながらの仕上げ材を活かすことで、新築には出せない独特の味わいを出しました。
【新旧の対比的なバランス】
古いものの「懐かしさ」と、新しい設計による「洗練された美しさ」を掛け合わせることで、この家でしか味わえないユニークな懐かしく・新しい空間を作り出しました。
設計ポイント
この家は、単なる「古い家の修理」ではありません。私の事務所が掲げる「人と空間から生まれる時間」のデザインを具現化し、家族が安心して長く、そして豊かな時間を過ごせるように、目に見えない構造や断熱性から目に見える意匠までをトータルでリデザインした住まいです。
このリノベーションでは、栗の無垢フローリングや自然塗料、青森ヒバの浴室など、素材選びにもこだわっています。限られた予算の中でコストを抑えつつ、質の高い空間を作るための工夫が随所に凝らしました。